1人暮らしをはじめてみると思っていた以上にお金が必要だったり、家庭の事情で仕送りが減ってしまったり、研究室に入ってバイトができる時間が減ってしまったりなど、どうしても今借りている奨学金の月々受け取ることができる額を増額しなければならないことがあると思います。
ですが、一番初めの奨学金の申し込みがとても面倒(たくさんの書類を提出したり、保証人を探したりなど・・・)だったことから、奨学金を増額したいと思っても実際に増額申請を出すというステップまで辿りつく人は少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、この奨学金の増額申請書類の書き方から、申請理由の例文まで詳しく紹介していきます。
【STEP1】第二種奨学金貸与月額変更願を手に入れる
日本学生支援機構の奨学金の増額を行う場合、まず「第二種奨学金貸与月額変更願」という書類を手に入れることからはじめましょう。
この書類は、今通っている学校の奨学金担当の人に言えば出してくれます。
この書類がないと奨学金の増額申請の話が進みませんので、まずはこの書類を手に入れることからはじめていきましょう。
【STEP2】奨学生番号などを記入する
上記の書類を手に入れることができたら、書類に必要事項を記入していきましょう。
まず、一番上の欄は以下の内容を記入していってください。
- 奨学生番号、学籍番号を記入
- 提出日(奨学金担当の先生に書類を手渡す日)を記入
- 学校名、学部(学科)、学年を記入
- 生年月日、氏名、フリガナを記入し、押印
- 入学年度を記入
この欄は簡単なのでチャチャッと書いてしまいましょう。
【STEP3】月額変更に関する欄を記入する
次は、上から2番目の「変更後の借用金額(予定)」という欄がありますが、ここは少しややこしいので後回しにしておいて、その下にある「月額変更」というところから先に記入して行きましょう。
- 希望する増額始期は、いつから奨学金を増額したいのかという時期を記入します。基本的には、先ほど記入した提出日の翌月からOKとなっています。
- 従前の奨学金月額には、これまで毎月通帳に振り込まれていた奨学金月額を記入します。
- 希望する奨学金月額には、これから毎月受け取りたい奨学金の月額(銀行に振り込まれる額、下表参照)を記入します。
- 変更する理由については、奨学金を増額しなければならなくなった理由を記入しましょう。以下に、奨学金増額理由の例文を紹介しておきますので、それを参考にしていただけると良いでしょう。
奨学金の増額申請理由の例文
- 奨学金を申し込む前に想定していたより住んでいる地域の物価が高く、生活費を賄うことができなくなったため
- これまでバイトをして生活費と学費を賄っていたのですが、実習が始まったことによってバイトをする時間が確保できなくなったため
- 父親のリストラが原因で両親からの仕送りが減ったため
この他に、こちらのページにもたくさんの奨学金の申請理由を記載していますので、その内容を参考にしながら、自分の置かれている状況がしっかりと相手に伝わるような文章を書く工夫をしましょう。
>>【保存版】奨学金の申請理由(家庭事情、経済状況)の例文まとめ
【STEP4】変更後の借用金額の欄を記入する
次は、先ほど空欄にしておいた「変更後の借用金額(予定)」のところを記入していきます。
この変更後の借用金額とは、学校を卒業した時までに借りた奨学金の総貸与額のことで、以下の式で計算することができます。
変更後の借用金額[円]=A[月]×B[円/月]+C[円]
- A;月額変更を希望する月から貸与終了までの月数
- B;月額の差額(今回の申請によって増える月額のこと)
- C;スカラネット・パーソナルに記載された「貸与総額(予定)」
と言っても少し難しいと思いますので、ここで記入する額の具体的な計算方法を例を挙げながら説明していきます。
変更後の借用金額(予定)の一例
元々の奨学金の貸与期間(在学期間)が2016/4~2020/3で、30万円の入学時特別増額貸与奨学金を受けており、希望する増額始期を2018/10として月額を8万円から10万円に増額する場合、Aは月額の増加分なので2万円(10万円-8万円)で、Bは増額始期(2016/10)から貸与終了(2020/3)までなので18ヶ月となります。
Cについては、スカラネット・パーソナルにログイン後、上のほうにある「詳細情報」のタブをクリックすると「貸与総額(予定)」という項目が出てきますので、そこに表示されている額(4,140,000円)となります。
これで計算に必要なすべての数値(A、B、C)が揃ったので、先ほど紹介した式を参考に以下のように計算してきましょう。
18[月]×20,000[円/月]+4,140,000[円]=4,500,000円
あとはこの金額を先ほどの「変更後の借用金額(予定)」のところに記入すればOKです。
【STEP5】保証人(機関保証)の欄を記入する
続いては、保証人や機関保証の欄を記入していきましょう。
ここで人的保証と機関保証という欄がありますが、これは以前奨学金を申し込んだ時の条件と同じものを選ぶ必要があります。
もし、奨学金の申込時に機関保証を選んでいた場合は、機関保証のところにチェックするだけでOKです。
ただ、奨学金を申し込んだ時に人的保証を選んでいた場合、連帯保証人と保証人になってくれた人それぞれに名前や住所、電話番号、生年月日を記入してもらい、実印を押印、そしてそれぞれの印鑑証明を市役所などで取ってきてもらい、それを申請書に添付するということをしなければなりません。
ほとんどの場合、連帯保証人は両親になっているので話をしやすいとは思うのですが、保証人は親戚の人などになってもらっていることが多いでしょう。
親戚の人にもう一度このような話をするのは気が引けるとは思いますが、事情を伝えたうえで「借りた奨学金は必ず自分が返します。」ということをしっかり話せば理解してもらえると思います。
【STEP6】親権者又は後見人の欄の記入
次は、親権者または後見人の欄の記入です。
この欄は、あなたが未成年者である場合(提出日の時点で20歳を超えていない場合)、両親(通常は父母の2人分)を記入してもらいましょう。
提出日の時点で20歳以上の人はこの欄を空白にしておけばOKです。
【STEP7】書類を提出する
ここまでの作業で書類の記入は完了ですので、あとは学校の奨学金担当窓口に書類を提出していきましょう。
お疲れ様でした。
これで奨学金の増額手続は完了です。
最後に一言
今回は、【保存版】奨学金の増額申請の方法と申請理由の例文まとめについてお話しました。
書類に記入したりすることは少し面倒に感じるかもしれませんが、日本学生支援機構(第二種奨学金)の場合、書類を提出すればかなりの確立でで増額が認められます。
第二種奨学金は、必要が生じたときに月額の変更(増・減額)ができます。
ただし、学生生活上継続して必要とする場合に限ります。
短期間に増額や減額を繰り返すことや、一時的な理由によるものは認められません。
ですので、申請理由の欄は小さめになっていますが、一言で終わらせるのではなく、自分の置かれている状況と奨学金の増額が必要な理由を明確に書いておく工夫をしてくださいね。
それでは!