奨学金には、日本学生支援機構(元育英会)に代表するような返済が必要な貸与型奨学金の他に、返済不要の給付型奨学金というものがあります。
意外に思うかもしれませんが、日本にも給付型奨学金はたくさんあります。
日本学生支援機構のHPではそういった奨学金を検索することができるシステムがあるので、一度そちらで給付型奨学金を検索してみるといいでしょう。
給付型奨学金の中には日本学生支援機構などの奨学金と併願できるものもあるため、既に奨学金を借りている人でも、給付型の奨学金を追加でもらえる可能性があります。
ただ、ここで問題になってくることは、多くの人が給付型の奨学金を貰いたいと思っているため、給付型の奨学金の合格率は低めになることがあるということです。
ですが、そんな給付型奨学金にも合格するコツ(ノウハウ)があり、それを理解しているのとしていないのでは、合格できる確率が変わってくるのも事実です。
そこで今回は、給付型奨学金に合格するためのポイントを5つのポイントに絞ってお話していきたいと思います。
【ポイントその1】学内選考を突破すべし!
まずはじめに知っておいてほしいことは、ほとんどの給付型奨学金では、各学校に対して受験枠を設けており、その学校からは受験枠で決められた人数しか給付型奨学金に申し込むことができないということです。
一般的にはまず受験前に学内選考が行われ、そこを勝ち抜いた人が給付型奨学金を受験できるという事になります。
学内選考がどのような形で行われるかは各学校によって異なります。
成績や内申点などを見ながら職員会議などで決定される場合もありますし、受験者が集まり面接などをして決める場合もあるでしょう。
いずれにせよ、その学内選考で勝ち抜かないと、給付型奨学金の受験資格すらもらえないということになりますので、まずはその学内選考で勝ち抜くための方法を考えておくことが重要です。
【ポイントその2】自分のレベルに合った奨学金を見つけるべし!
先ほどの学内選考の話と少しかぶりますが、給付型の奨学金に申し込むための申込書を作成する段階で、誰かの”推薦状”が必要になってきます。
ちなみに推薦状がどのような物かというと・・・
>>奨学金の推薦書です、添削お願いいたします|Lange-8
>>奨学金免除申請に必要な指導教員の所見の書き方|Yahoo!知恵袋
この辺りの記事を見ればなんとなく理解できると思います。
有名で規模の大きな給付型奨学金などでは、学長や校長からあなたを推薦してもらう(推薦状を書いてもらう)必要があり、そいういった人にお願いすることができる立場の人というのは、おそらく主席、または学年でトップ3辺りまでの成績を持った人というようなイメージで、そういった人達が学長や学校長などから推薦状を書いてもらえることになります。
ですが、給付型奨学金にもいろんな種類があって、学長や校長からではなくて、学科長や指導教官の推薦状でOKなところもあります。
どいういうことかというと、例えば、給付型奨学金の岩垂育英会奨学金の募集要項を見てみると・・・
(1)提出書類
1.奨学生願書 (所定様式1)
2.在学する大学院研究科長と指導教員の推薦書 (所定様式2)
3.公表された研究業績があれば各一部を添付すること。引用)岩垂育英会奨学生募集要項|一般財団法人 岩垂育英会
といったような感じで、学長ではなく学科長と指導教員の推薦書があればOKということになっています。
どうして学長の推薦書が必要ないのかというと、この岩垂育英会奨学金は歯科系の学生を対象としている給付型奨学金なので、一般的な給付型奨学金より専門性が高く、学長よりも学科長や指導教官からの推薦状の方がより明確に受験する人のことを知ることができる推薦状を得られるからです。
まぁ、それ以外にも理由があるかもしれませんが、いずれにせよ、ここで言いたいことは給付型奨学金にもいろんな種類(専門分野、地域、難易度など)のものがあり、ニッチ(対称さが狭い)な奨学金を見つけることができれば、それだけライバルの数を減らすこともできます。
自分のレベルに合った奨学金を見つけ出せるかということが、給付型奨学金に合格できるかどうかのカギを握っていると言っても過言ではありません。
【ポイントその3】所属している学校や推薦状を書いてもらう人と関係の強い奨学金を選ぶべし!
給付型奨学金は一般公募(個人からの申込)をしているところよりも、実質的に学校からの申込をしているところが多く、学校によっては過去何年も同じ給付型奨学金に奨学生を送りこむことに成功しているところがあります。
このようなケースの場合、「この学校からは毎年いい生徒が送られてくる」といったような印象が給付型奨学金の選考側に多少なりとも残っているはずです。
逆を考えれば分かることですが、これまで全く関係を持ったことのない学校から申し込みがあった場合、その学校がどういう学校か、というところから調査しなければならなくなります。
さらに、選考する立場の人間からすると推薦状を書いてくれた人がどういう人なのかも、調べなければよく分からないといった感じでしょう。
どちらの方が合格しやすいかということに直結はしないかもしれませんが、人や組織は基本的に「関係性を維持する(関係性を崩したくない)」という力が働きがちになるもの。
その辺りを踏まえて考えると、もともと通っている学校に実績のある給付型奨学金に申し込んだり、推薦書を書いてくれる人と関係の深い奨学金を選んだりするのも、給付型奨学金に合格するためのポイントになってきます。
ただ、学校として過去に申し込んだことのない給付型奨学金に申し込んではいけないということは全くなく、そういったところも視野に入れて行動していくのも選択肢の一つです。
そのような場合は、学校や先生に「このような給付型奨学金あるのですが・・・」と言うような感じで、こちらから受験する旨を伝えてみて、その反応を見ながら受験するかどうか検討してみてくださいね。
【ポイントその4】給付型奨学金のお金の出所を理解すべし!
給付型奨学金は、受け取った奨学金を返済する必要のない奨学金です。
ここで疑問に感じてほしいことは、どこからそのお金が流れてきているかということです。
良く考えてみれば不思議ですよね。
奨学金を出せば出すほど赤字になるのに、どうしてそのようなことをやっているのか不思議に思いませんか?
その答えは給付型奨学金によってお金の出所は様々ですが、ほとんどの給付型奨学金で共通している点は、給付型奨学金の資金は「寄付」によって賄われているということ。
誰からの寄付かと言うと、給付型奨学金の創設者や企業であったり、その給付型奨学金を受けていた奨学生などからも寄付が寄せられています。
そんなことを聞くと、「返済が必要な貸与型の奨学金とあまり変わらないんじゃないの?」と感じてしまうかもしれませんね。
でも、その点こそ勘違いをしないでほしいところです。
多くの給付型奨学金の選考基準の中に「将来有望な人材に対して・・・」とか、「○○と言う分野において日本をリードする・・・」という言葉が入っています。
つまり、給付型奨学金の選考基準として共通する点は、将来多くの人の役に立つ見込みがあるというその”可能性”に投資をし、実際にその人が多くの人の役に立ったらたくさんのお金をもらえる(ビジネスなどで成功する)ようになり、お世話になった給付型奨学金に寄付ができるようになることを期待しているのです。
このことを理解できていれば、どのようなスタンスで申請理由を書けばよいのか、給付型奨学金の面接に望めばいいのかが見えてくるのではないでしょうか?
自分自身の可能性に確信を持ち、周りの人を巻き込みながら成功(給付型奨学金に合格することも含む)を勝ち取っていけるかどうか・・・
この辺りが給付型奨学金を受け取るにふさわしい人物かどうかの見極めラインになっていると考えておきましょう。
【ポイントその5】行動すべし!
多くの場合、この記事を読んだ後、「○○××△△(できない理由)だし、自分にはできないだろう・・・」という感じで、スタートをきることもなく終わってしまうのではないでしょうか。
当たり前のことですが、給付型奨学金を受け取るためには給付型奨学金を受け取れるように、やらなければならないことをやっていく必要があります。
学校の先生に問い合わせてみるとか、資料請求してみるとか、どんな簡単なことでもいいので次の行動に移していきましょう。
行動していくと、新たな課題が見えてくるので、それを一つ一つ解決していく。
それをひたすら繰り返していけば、最終的には給付型奨学金に合格できるはずです。
自分の可能性を信じきれてない人に投資をしてくれる人や組織はいないでしょう。
まずは自分の可能性を、「給付型奨学金に合格できるはずだ!」という可能性を信じ切り、その目標に向かって全力で取り組んでみてください。
その結果、あなたの可能性が認められれば給付型奨学金がもらえるでしょうし、認められなければ給付型奨学金はもらえません。
仮に結果、給付型奨学金がもらえなかったとしたら、「ここが悪かったから、次はここを考え直して挑もう!」とすればOK。
日本学生支援機構などの奨学金と併願可能な給付型の奨学金も多数ありますので、まずはそういったところから狙っていってもいいかもしれませんね。
一度失敗したからといってやめてしまうのではなく、その結果を踏まえて2度、3度と挑戦していきましょう。
そんなあなたが全力で挑戦している姿が審査員の心を動かすかもしれませんよ。
ちなみに、給付型奨学金は日本学生支援機構のこちらのページで検索することができます。
最後に一言
今回は、返済不要の給付型奨学金に合格するための5つのポイントについてお話しました。
給付型奨学金を受け取るということは、決して簡単なことではありません。
ただ、「なんとなく無理そうだから・・・」といって給付型奨学金をあきらめてしまうという選択は、「みんなと同じように貸与型の奨学金を借り、大学卒業後に数百万円の借金を抱えたまま社会の荒波に呑まれる覚悟がある」ということとほぼ同じ意味だと考えてみてください。
今目の前に見えている給付型奨学金を”あきらめる”と言うことは、それぐらい大きな決断をしていると認識しておきましょう。
これからあなたが人生をよりすばらしいものにしていくのは、他の誰でもないあなた自身です。
あなたがどう決断して、どう行動していくか。
その結果があなたの人生を大きく動かしていきます。
給付型奨学金に挑戦するかどうか・・・。
一度ゆっくりと考えてみてくださいね。
それでは!