【要注意】奨学金の連帯保証人(全額)と保証人(半額)の違いとは?

日本学生支援機構などで奨学金を借りるためには「連帯保証人」と「保証人」の欄にサインをしてもらう必要があります。

奨学金の場合、基本的には親が連帯保証人になり、保証人にはおじさんやおばさんといった親戚の人になってもらうのが一般的です。

とはいうものの、「連帯保証人」と「保証人」の違いとは一体なんなのでしょうか?

そこで今回は、この奨学金を借りる際に必要となる連帯保証人や保証人、機関保障制度について、日本学生支援機構の場合を例に挙げて、保証人をお願いする立場、また保証人を依頼された立場の視点に立って、詳しくお話していきます。

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連帯保証人と保証人の違いは「請求される順番」にある

まずはじめに知りたいこととしては、連帯保証人と保証人の違いなのではないでしょうか?

その答えは、日本学生支援機構のホームページにありました。

連帯保証人

奨学生本人と連帯して返還の責任を負う人です。原則として「父母」です。

引用)人的保証制度|日本学生支援機構

保証人

あなた(奨学生本人)と連帯保証人が返還できなくなったときに、あなた(奨学生本人)に代わって返還する人です。原則として「おじ・おば・兄弟姉妹等」です。

引用)人的保証制度|日本学生支援機構

実は連帯保証人も保証人も借金返済の債務を負うことについては同じなのです。

ですが、その債務を履行する順番「債務者(奨学金を借りた本人)⇒連帯保証人⇒保証人」や返済すべき額が異なる「連帯保証人は全額、保証人は半額のみ」ということになっています。

Q2.保証人と連帯保証人では何が違うのですか?

保証人と連帯保証人は,主債務者が返済できなくなった場合,代わりに返済する義務を負うという点では共通しますが,主に以下の3点で違いがあります。

1)貸金業者がいきなり(連帯)保証人に対して請求をしてきた場合には,保証人であれば「まずは主債務者に請求してください」と主張することができますが(これを「催告の抗弁」といいます),連帯保証人はそのような主張をすることができません。

2)主債務者が返済できる資力があるにもかかわらず返済を拒否した場合,保証人であれば主債務者に資力があることを理由に,貸金業者に対して主債務者の財産に強制執行をするように主張することができますが(これを「検索の抗弁」といいます),連帯保証人はこのような主張をすることができず,主債務者に資力があっても貸金業者に対して返済しなければなりません。

3)(連帯)保証人が複数いる場合,保証人はその頭数で割った金額のみを返済すればよいのに対して,連帯保証人はすべての人が全額を返済しなければなりません(もちろん,本来返済すべき額を超えて返済する必要があるわけではありません)。

引用)債務整理Q&A|アディーレ法律相談事務所

奨学金というとなんとなく借金とは違うもののように感じますが、日本学生支援機構の奨学金は貸与型の奨学金(借りた分は学生本人が返していかなければならないタイプの奨学金)であり、一般的なローンとほとんど同じです。

ですので、奨学金を借りる際も一般的なローンと同じように、連帯保証人や保証人という言葉が出てきますし、仮に奨学金を借りた人が奨学金を返せなくなった場合、連帯保証人となった人(一般的には親)がその奨学金を返済していかなければなりません。

保証人はその連帯保証人まで返済が不可能になった場合、初めて返済する義務が発生するということになります。

また、そのような場合でもおじさんやおばさんに依頼することになる保証人については、連帯保証人も含めた保証人の数(2人、奨学金の場合は連帯保証人が1人、保証人が1人となることが多いため)で割った額の半額を返済すれば良いとされています。

法務省によると、この場合、連帯保証人は本人と同じ全額を返す義務を負うが、保証人は2分の1になる。民法で、連帯保証人も含めて複数の保証人がいる場合、各保証人は等しい割合で義務を負うとされるためだ。「分別の利益」と呼ばれる。

引用)奨学金、保証人の義務「半額」なのに…説明せず全額請求|朝日新聞

保証人は連帯保証人のように本人が返済できなかったとき、本人に代わって全額を返済しなければならないのではありません。

実はこのことは意外に知られておらず、保証人が奨学金を返済しなければならなくなったようなケースで、間違って(半額だけを返済すれば良いということを知らずに)全額返済したり、全額返済できないという理由から保証人まで自己破産してしまったというケースもあるようです。

おじさんやおばさんなどに奨学金の保証人になってほしいと依頼する場合は、この保証人の「分別の利益」というルールがあり、万が一そのようなことになっても半額の返済義務しかないということを伝えておきましょう。

質問6)「分別の利益(ぶんべつのりえき)」とはどのような利益ですか?

回答
分別の利益とは、同一の主たる債務を複数名の保証人によって保証する場合、それぞれの保証人が追う債務は主たる債務を保証人の頭数で割ったものにとどめるというものです。
主たる債務が1000万円だったとして、保証人が5人いれば、全額請求されるということはなく、一人200万円支払えば済むということです。
しかし、連帯保証人となってしまうと分別の利益はありませんので、全額保証することが求められます。

引用)担保・保証を理解するための用語 …… 法律用語集|吉田泰郎法律事務所

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保証人を誰に頼めばいいのか?

日本学生支援機構の場合、奨学金に申し込むためには連帯保証人と保証人が必要です。

基本的には連帯保証人は親がなりますので、その点については大丈夫だと思いますが、問題になってくるのは保証人の方です。

以下の保証人になるための条件を考えていくと、ほとんどの場合はおじさんやおばさんに保証人になってもらわなければならないケースがほとんどなのではなってきます。

次の条件すべてに該当する人を選任してください。

1 . あなた(奨学生本人)および連帯保証人と別生計であること。
2 . あなた(奨学生本人)の父母を除く、おじ・おば・兄弟姉妹等の4親等以内の親族であること。
3 . 返還誓約書の誓約日(奨学金の申込日)時点で65歳未満であること。また、返還誓約書の提出後に保証人を変更する場合は、その届出日現在で65歳未満であること。
4 . 未成年者および学生でないこと。
5 . あなた(奨学生本人)または連帯保証人の配偶者(婚約者を含む)でないこと。
6 . 債務整理中(破産等)でないこと。
7 . 貸与終了時(貸与終了月の末日時点)にあなた(奨学生本人)が満45歳を超える場合、その時点で60歳未満であること。

引用)人的保証制度|日本学生支援機構

ここで問題になってくるのは、親戚との関係があまりよくないような場合です。

親戚に貧乏であることを知られたくないとか、親戚とは疎遠でこれといって連絡を取ったことがないとか、親戚とは仲が悪いなど、いろんなシチュエーションが考えられ、おじさんやおばさんに保証人になってもらえない可能性もあるということです。

主人の兄の娘さんが国立の文系の大学院に通っているのですが、5ヶ月ほど前に電話で奨学金の保証人を頼まれました。
その時は主人は軽い気持ちで承諾をしました。その後、ネットでいろいろ調べたり、私と相談して30分後にやっぱり無理だと連絡しました。

引用)義理の姪の奨学金の保証人を断ったら・・・|大手小町

姪の奨学金1千万近くの保証人になってほしいと言われています。

私は37歳の事務員です。妹の娘が薬学部を目指すと突然言い出し、奨学金を受けるから保証人になってほしいと言われました。
薬学部は6年制で、合計1200万かかる予定であり、現在の貯金が300万だそうです。
残りを奨学金で補填するとのことです。不安な点があります。

引用)姪の奨学金1千万近くの保証人になってほしい|Yahoo知恵袋

私(妻)の甥っ子が受験生で、地元の私立大学を希望しているようです
姉(世間知らずな面多々あり)は奨学金で何とかなると言っています

まだ早いのですが、奨学金の連帯保証人を頼まれるのではないかと、ソワソワしてしまいます
私はパート主婦なので、主人になるのではないかと思いますが、本音を言えば断りたいです
(主人は、甥っ子大好きなので、たぶん、了承すると思います)

過去に、奨学金関係のアルバイトをしたことがあるのですが、その時は、半数強の方が、親戚の方に連帯保証人をお願いしていたように思います

引用)奨学金の連帯保証人の当事者にお伺いしたいのですが|発言小町

結論から書きますと、信頼できそうな親族の方なら保証人になっても良いと思います。
良く素性を知らない、付き合いが極端にない、奨学金返済意欲が見えない…等の理由があれば、慎重になったほうが良いですよ。

引用)奨学金 保証人|カラダノート

一般的には保証人という名前を聞くと「あまり引き受けたくない」という印象を受けますので、もしおじさんやおばさんに保証人になってもらいたいと思ったのであれば、電話などではなく、茶菓子などを持参してお願いに行くぐらいの気持ちになっておいた方がいいでしょう。

誠心誠意お願いし、おじさんやおばさんに「将来、この子は奨学金をしっかりと返済していくだろう」と思ってもらえれば、きっと道は開けると思います。

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保証人を依頼された人の心構え

この記事を奨学金の保証人になってほしいと依頼された人が読むと、少し気が重くなるかもしれません。

ただ、安心してもらいたいことは、日本学生支援機構の場合、万が一、奨学金の債務者である甥っ子や姪っ子が就職で失敗したりしたとしても、日本学生支援機構の正式な手続きさえ踏めば、奨学金の返済を一時的にストップしたり、半額づつ返済することもできるということです。

もちろんそれらの手続きは、社会的な信用に関わることがない(ブラックリストに載らない)ものになっていますので、日本学生支援機構としても奨学金の返済に少しでも不安があれば活用してもらいたいものという位置づけです。

つまり、「就職に失敗したから」、「給料が低いからといって」、すぐに連帯責任者の親が支払いをしはじめ、「次に何かあったら保証人の私がはらわなければならない・・・。」ということにはなりません。

保証人が実際に奨学金の返済をしなければならなくなる可能性はかなり低いと言えるでしょう。

私が考える保証人の役割というのは、適切なタイミング(就職で失敗した、給料が低い、病気になってしまったなど)で、「日本学生支援機構にはこのような制度(返還期限猶予減額返済)があるからそれを利用してみては?」というアドバイスをするということだと考えています。

最終的な判断は保証人になるあなた自身が判断することなので、私の意見はあくまで参考程度に考えて置いてくださいね。

お金を払うことによって連帯保証人と保証人をなしにできる機関保障という制度

実は、日本学生支援機構の奨学金は、連帯保証人と保証人がいなくても申し込むことができます。

その訳は、日本学生支援機構独自の制度である「機関保障」というもので、ある一定の料金を支払えば「日本国際教育支援協会」というところが、連帯保証人と保証人の代わりになってくれるという制度があるからです。

機関保証制度について

  • 日本学生支援機構の奨学金の貸与を受けるにあたって、保証機関が連帯保証するものです。
  • 一定の保証料を支払うことで、奨学金の申込みができます。
  • 平成16年度以降の採用者で、機関保証制度の加入者を対象として、債務保証をします。
  • 機関保証制度加入者は、連帯保証人及び保証人は不要です。
  • 奨学生(返還者)が奨学金の返還を延滞した場合、日本学生支援機構の請求に基づき、保証機関が奨学生(返還者)に代わって残額を一括返済します。その後、保証機関が奨学生(返還者)にその分の返済を請求します。

引用)機関保障|日本学生支援機構

元々は身寄りのない学生向けに設立された制度ですが、親や親戚がいる場合でも利用することが可能です。

具体的にこの機関保障を利用ための保障料をどのように支払うのかというと、毎月振り込まれる奨学金の額が保障分だけ差し引かれて振り込まれるという仕組み。

例えば、有利子の第二種奨学金を毎月5万円で4年間借りたとすると、保証料は月々約2100円ほどになりますので、毎月の奨学金が振り込まれる額は4万8千円程度になります。

>>具体的な保障料の金額はこちら

「おじさんやおばさんに保証人になってもらえない」場合や、「保証人になってほしいとたのまれたけど断りたい」といった場合は、この機関保障という制度を利用することをおすすめします。

最後に一言

今回は、奨学金の保証人や連帯保証人とはどういう意味なのかということについてお話しました。

日本学生支援機構の場合に限っていうと、なるべくお金を節約したい場合は連帯保証人や保証人を立てる「人的保障」を、逆に誰にも迷惑をかけず自分の負担(責任)で奨学金を借りたい場合は「機関保障」を選ぶということになると思います。

どちらを選んだとしても奨学金の合否は決まった後の話のなので、奨学金の貸与が取り消されるということはありません。(ちゃんと手続きを済ませればの話ですが・・・。)

将来、住宅ローンやマイカーローンなどを組む場合にも、連帯保証人や保証人というキーワードが出てくることになると思いますので、その時の練習だと思ってどちらを選ぶのがいいか、真剣に考えてみてくださいね。

それでは!

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